効き脳/ハーマンモデル

効き脳(利き脳)とは

人間には「利き腕」や「利き目」があるように、私たちの脳にも“利き”があります。
その脳の利き(効き)が「効き脳(利き脳)」です。
効き脳(利き脳)の違いにより、思考特性(物事の捉え方や考え方)が人それぞれ異なり、表れる言動も異なります。

自分の効き脳(利き脳)にあった活動であれば、人は苦痛を感じることなく高いモチベーションで集中することができ、仕事や勉強に成果を上げやすくなるのです。
一方、自分の効き脳(利き脳)に合わない行動は、苦手意識を感じ、やる気も起きず成果を上げにくくなります。
また、この効き脳(利き脳)の違いによって、人はそれぞれ理解・納得するポイントが異なります。このため、私たちの日頃のコミュニケーションの難易度は、自分とコミュニケーションをとる相手との「効き脳(利き脳)の組み合わせ」に大きく左右されます。
これまで個人の思考特性が異なることは知られていましたが、それらを科学的な根拠に基づいた理論的なアプローチでビジネスに活用されることはほとんどありませんでした。
「ハーマンモデル理論」は、この思考特性(効き脳(利き脳))を可視化・数値化し、これまで漠然としていた個人の思考特性とさまざまな言動との関連性を定義づけました。
効き脳(利き脳)を理解することは、自分自身の思考特性を認識するだけでなく、他人の思考特性や言動を理解し、より創造的なビジネス活動を実践する助けになるのです。

 

ハーマンモデル理論とは

米ゼネラル・エレクトリック社(GE社)で社員教育責任者であったネッド・ハーマン(Ned Herrmann)が、脳に関する2つの理論からハーマンモデルを構築しました。
一つは、ロジャー・スペリー(カリフォルニア工科大学教授・ノーベル賞受賞)によって証明された、右脳・左脳は互いに独立しており、異なった働きをしているという「右脳・左脳モデル」、もう一つは、ポール・マクリーン(アメリカ国立精神衛生研究所・脳進化と行動部門主任)によって明らかにされた、脳は進化の段階において3つの層からなり、それぞれの働きが異なるという「三位一体型脳モデル」です。
ネッド・ハーマンはこの2つの理論を組み合わせ、1977年に「ホールブレインモデル」(全脳モデル)を構築しました。
そして、大脳新皮質側の左脳を「A」、辺縁系側の左脳を「B」、辺縁系側の右脳を「C」、大脳新皮質側の右脳を「D」と名づけ、それぞれに青(A)、緑(B)、赤(C)、黄色(D)の色を割り当て、脳の4象限モデル、すなわち「ハーマンモデル」を構築したのです。
ハーマンモデルは現在までに、世界各国で200万人以上の利用実績があります。

ハーマンモデル理論