自社スタッフへの導入事例

株式会社理学ボディ 様

青山筋膜整体 理学BODY」の多店舗展開におけるマネジメント統括のほか、研究事業、新規事業開発(障がい福祉)を担当されている執行役員 肩 祥平様にお話を伺いました。

(取材日:2023年12月)

── 診断の導入経緯・背景

役員らは以前、「効き脳診断」と類似の適性診断サービスを受けたことがありました。
代表と役員陣の大半は同じタイプで、効き脳でいう「D」「A」が高く「B」が低いベンチャー志向、一人だけ「B」が非常に高いメンバーという構成でした。
「D」「A」が高いメンバーらは「新規事業の推進は皆喜ぶはずだ」と何の疑いもなく信じ、「B」が高い人間が急な海外展開による無理難題や急なスケジュール変更といった仕事の進め方にとてもストレスを抱えていることに気づきませんでした。
そうした違和感がありながらもうまく言語化できずお互いのコミュニケーションが不十分であった状況を診断によって気づかされたと同時に、得意領域や特性が明らかに違うことを理解でき、それらを最大限活かしてアサインすることは今後事業を伸ばす上でかなりのインパクトがあるだろうと実感しました。

その後の多店舗展開に伴い人材育成を進めていく中で、優秀なマネージャーが必ずしも優秀なスタッフを育成・マネジメントできるとは限らないという現実を目の当たりにします。
弊社は「Slack」を導入しマネージャーとスタッフのやりとりを「見える化」しているので分かるのですが、例えばロジカル派と感情派のミスマッチでいえば、ロジカルに話し合えば伸びそうなスタッフに対し、マネージャーは「ちょっと気合いを入れて頑張ろうよ」といった提案をするなど、これは数年前の役員間での行き違いがマネージャーとスタッフ間でも起きているんだと。
以前の原体験があったので、現場のマネージャー層にも診断ツールを導入することを決めました、ミスマッチのままでは才能も開花しないわけですから。
弊社では、1人のマネージャー(店長を兼務)が6名前後のスタッフ(店長)をマネジメントしています。相性を優先してマネージャーを異動させる策もありますが、マネージャーが変われるきっかけを提供した方が再現性も図れるという狙いもありました。

── 「効き脳診断」を選んだ理由

どの適性診断サービスにするか、検討の優先はコスト感でした。役員らが受けた診断は一人5万円超で、それをマネージャー層で実施すると100万円ぐらいかかるためコスト的にどうかなと。
フォルティナの「効き脳診断」をトライアル実施したところ、診断結果は同じような傾向で、何より良心的な価格であったため導入セミナーを追加してもそこまで高くならずに導入できる。診断は、マネージャーのマネジメント力向上という大きなテーマの一貫としての導入ですが、「本質的に人はそれぞれ特性が違うんだ」という我々の原体験を理解してもらうのが最大の狙いです。診断だけでなく確実に彼らのマインドを変えられるようなワークを取り入れたセミナーをオンライン形式でやってもらえたのも大きいですが、決め手はやはりコストです。もっと安価な診断サービスもあるのかもしれませんが、それを探す手間と時間を考えると「もう、効き脳診断にしよう」と。

── 導入後の現場の変化

青(A)が高いロジカル派でコミュニケーションが少なかったマネージャーが問いを投げるだけでなく、ちょっと褒めたり寄り添うようなコミュニケーションになったり、おそらく黄色(D)が高くて緑(B)が低いために業務エラーが多いスタッフには「苦手だと思うけど チェックリストをやろうよ」「日報の報告の仕方を変えてみようね」とコミュニケーションの取り方を変えるなど、彼らなりに工夫している様子が「Slack」のテキスト上のやり取りで見えています。
それらを見る限り、より人に向き合うマネージャーが増えているのだと感じています。弊社の場合、大組織での勤務経験のないマネージャーが多いため、数字を優先するあまり、どうしても自分の成功体験に基づいたマネジメントやコミュニケーションになりがちで、「そこに人がいる」ことが若干おざなりになる傾向にありました。それが、「この人はどうなのかな」と向き合い、「自分が変わらなければ」というきっかけに「効き脳診断」がなったんだなと。
まさに役員らの原体験であり、「相手を変えるより自分をどう変えるか」というところに気づいてもらえたのであれば 診断を導入した意味はありました。

また、例えば新規事業にアサインする際、「ボクは青(A)が少ないですね」「だから、新規事業を考えるときは今までのやり方じゃなくて、もう少し一歩立ち止まって理論的に考えないとダメなんですね」と自分から言ってくることがあります。自身の思考が分かったことで、「何かに取り組むときには、すべて自分のやり方だけでは多分うまくいかないだろう」と思えるようになった人間もいます。
思考特性が表通言語化され、「青(A)が低いんですよ」で伝わるようになったのは分かりやすい変化です。

我々も、マネージャーとスタッフの組み合わせを診断結果を踏まえてダイナミックに変えました。それはこちらの意向だけではなく、この組み合わせではミスマッチが起きてしまい、最悪の場合スタッフが辞めてしまうのではという懸念をマネージャー側にも理解してもらえるので、積極的に異動が進められるという利点もあります。

── 具体的な成果の場面、経営へのインパクト

より人に向き合うマネージャーが増えたことは、それぞれの施策の実行具合に影響すると感じています。コミュニケーションの幅が拡がることで、現場のスタッフにしっかり腹落ちして取り組んでもらえるので。
例えば、自分の発言に対するスタッフのリアクションやコメント数が少ないマネージャーが、「いろんなタイプの相手がいるんだから」と発言の仕方が変わるとコメント数が増えてきます。腹落ち度が高まったからでしょうから、しっかり納得してやれるように変わっていく。マネージャーが相手に合わせて「この施策はこうだよ」と翻訳して伝えられるようになったことは施策の実行率を高めていく上でとても大きく、これは経営的なインパクトがあると感じています。

── 変化したマネージャーの比率

診断を受けたマネージャー層のどれくらいが変化したかを数字で表すのは難しいです、私が青(A)赤(C)なので同じタイプの変化は気づきにくく、異なる緑(B)タイプの変化は見えやすい傾向があるので。
例えば、その緑のマネージャーが青や赤を少しでも使えるマネジメントになってきたなと感じられる比率でいえば6~7割程度だと思います。
正確には、「変わった」というレベルにまではなかなか一気に行けないと理解しているので、青や赤を使ったマネジメントが必要であることに「確実に気づき、変わろうとしている」マネージャーの比率ということになります。
この6~7割という数字を高いとみるか低いとみるかですが、1回のセミナーで半数以上のマネージャーが何らか変化する可能性を秘めているのですから十分な成果です。

── 「効き脳診断」の位置づけ

「気づいた」マネージャーらには、次のハードルである「変わる」ためのマネージャー育成のプログラムを予定しています。
前のように自分の過去の成功体験を押しつければよい結果が出ると勘違いしているマネージャーのままでは、どんなメソッドを提供したとしても自分の思考に合わないものは受け入れにくいところがあります。ですから、「人にはいろんなタイプがいる」ということをまずもって理解してもらえればマネージャー育成の成果は変わるはずだという考えのもと、最初の入口として診断を導入した経緯があります。
マネージャーが自分の幅を広げてまずはすべてを吸収し、引き出しというか武器を持っておく、そしてそれらを相手に応じて使い分けながらマネジメントできるというのが理想です。
育成プログラムと直接連動はしていませんが、「効き脳診断」はマネージャー育成の成否を左右するツールといえますね。

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